第20回国際女性ビジネス会議で印象に残った言葉とは

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今週の日曜日(26日)、第20回国際女性ビジネス会議に参加してきた。以前に参加したのは4年前の2011年、第16回のとき。今回が2回目の参加だ。朝から夜まで(午前10時から夜8時半まで)、実に多くの、いまの日本を代表する方たちのプレゼンテーションやパネルディスカッションを聴いた。ちょっと刺激が強すぎて、ここ2、3日は、”知恵熱"状態だったが、少し落ち着いてきたので、とくに印象に残った言葉を書き留めておきたい。
まずは、国際女性ビジネス会議創設者の佐々木かをりさんの、冒頭あいさつでの言葉。

20年前にこの会議を始めたとき、とある経済団体に何か支援してもらえないかと相談にいったところ、「女性、外資、中小企業、起業家は落ちこぼれなのだから、そんな(人たちが参加者の)会が成功する訳がない。やめたほうがいい」と言われた。それを聞いて、ぜったいに成功させてやると、がぜんやる気になった。

若い人は聞いて驚くかもしれないけれど、少し前の時代までは、そこまで露骨にいわれないまでも、企業社会の”保守本流”の人からは、そういった認識がもたれていた。その認識を変えることができたのは、“落ちこぼれ”ならぬ”浮きこぼれ”当事者たちの力であり、こうした会を20年続けてきた佐々木さんたちの力だ。

つづいては、BTジャパン社長で、経団連初の女性役員になった吉田晴乃さんの言葉をご紹介したい。吉田さんのスピーチはテンポがよく随所にユーモアがちりばめられていて、「経団連の役員を依頼されたとき、新しい風になってほしい、と言われ、???となった。風って何? 風のKPIって…」といったくだりでは、会場は大爆笑。主に、シングルマザーとしての子育ての苦労について話された。その吉田さんの言葉で、私にとって最も印象的だったのは次の言葉だ。

時が解決することもある。

「母の日なんてだいきらい」と言っていたお嬢さんが、今は吉田さんをメンターとして頼りにしたり、逆に吉田さんのほうがお嬢さんに励まされたりしているという。

100人のうち99人に反対されたけれど、ぜったいにあきらめなかった。

ランチタイムでのスピーチでそう語ったのは、レーシング・ドライバーの井原慶子さんだ。10分くらいのプレゼンテーションでありながら、井原さんのスピーチに、私はもっとも強い印象を受けた。実は全然知らなかったのだが、井原さんは大学時代にレースクイーンをしていたときにモーター・スポーツに出会い、その魅力に打ちのめされたのだという。それで当時、自動車の免許すらもっていなかったのに、「レーサーになる!」と決意し、文字どおりゼロからの出発で、2014年には女性初で世界最高峰のWECレースの表彰台にのぼるなど、世界のトップグループの一員となった。一つ間違えば、死と隣り合わせの過酷な世界で、想像を絶するトレーニングと瞬時の判断力、チームを動かす人間力で結果を出し続けてきた井原さんの言葉を聞いているうちに、ビジネスの世界でやれることのうち、まだ私は1%も追求していないのではないか、というような気持ちになった。

国際女性ビジネス会議には、男性も1割程度参加している。プレゼンターの何割かも男性である。男性経営者の方々によるセッションでは、三菱ケミカルホールディングス会長の小林善光氏の言葉が印象的だった。

グローバル化・IT化・ソーシャル化の現代は、女性が強烈に必要とされる時代。かつては、情報は権力の象徴だった。それが(男性による)情報独占からソーシャルの時代になって、女性の方が適合するようになった。トン、キログラムの世界から重さのないサイバーの世界になり、AIの時代になっていくと、女性の方が力を発揮するのではないか。

実際、AIの専門家・数理論理学の第一人者である、新井紀子氏(国立情報学研究所教授)も、「人工知能の今」というセッションの中で、次のように述べていた。

2000年代の後半になって、知識的労働が機械(コンピュータ)に代替される可能性が強くなってきてから、急に男性たちが焦りだしてきた。半沢直樹的な仕事(銀行の仕事)がAIに代替されるというオックスフォードのレポートもある。ただ、ペッパー君が女性とおなじようにおしゃべりできるようになるとは思えない。女性には、機械を超えるビジネスが創造できるのではないか。

国際女性ビジネス会議では、午前中が参加者全体を対象にしたセッションであり、午後は分科会という構成である。いくつかの分科会に参加したが、とくに興味深かったのは、「Who Gets Promoted, Who Doesn't, and Why?」という、石倉洋子さんがモデレータのパネルディスカッションだ。英語でのセッションで、十分に聞き取れなかった部分もあったが、印象的だったのは、パネリストの1人、ランドバーグ史枝氏(グーグル株式会社APACパートナーオペレーションズ事業部長)が、女性へのアドバイスとして語った次の言葉だ。

上手に書き(writing well)、上手に話す(speaking well)ことが重要。正確に書くことは信頼性につながり、上手なプレゼンテーションはアピールになる。上手に書き、上手に話すこと、そしてハードワークと、ネゴシエーションが大切だ。

ハードワーク、ネゴシエーション、というのは想像がつくけれど、writing well、speaking wellというのは意外であり、また私の仕事につながることでもあったので、強い印象をもった。

最後にご紹介するのは、17:50からのネットワーキングパーティでの、林文子・横浜市長の乾杯挨拶中のフレーズ。

みなさん、トップになると楽ですよ。

前職の東京日産自動車販売でも社長をされていた林さんだが、それでも、日産のトップ、ゴーンさんにレポートする立場だったのだろう。ナンバー2とナンバー1は全然違う、ということをおっしゃりたかったのだと思う。誰にはばかることなく、自分が最終決定権者として決められるのだから。

まだまだとりあげたい言葉はたくさんあるが、きりがないので、また何かの機会にご紹介できればと思う。

(追記、11月27日)
国際女性ビジネス会議のサイトに、各セッションの抄録が掲載されています。ご参考まで。www.women.co.jp