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新しい顧客はどこにいるのか

 日経新聞の地方面(神奈川・首都圏経済面)に、ユニークな企業の記事が載っていたので、ご紹介します。
 エイシン電機という、横浜市に本社のある従業員38人の会社。コンビニにあるホットショーケース(から揚げなどの入れてあるショーケース)で、国内4割のシェアをもつという会社です。以下、記事からの引用です。

2006年頃、この製品に目をつけた一部の病院からの問い合わせが相次いだ。「最初は売店で人気なのだと思っていたが、それにしても問い合わせの数が多いので不思議だった」(計良社長)ため、実際に納入先をのぞいてみた。すると、驚いたことに新生児医療の現場で使われていたことが分かった。医療機関からの引き合いが増えた理由は、新生児医療の学会で同社のホットケースを使って哺乳瓶を保温する事例が紹介されたことが、後々、判明した。」

 そういうきっかけで、医療分野に同社が参入すると、「冷凍保存された輸血用の血液は流水を使って解凍しており、時間や手間がかかる」ことなど、医療関係者が困っていることで、同社の技術が生かせそうな分野が多いと感じて、輸入用血液の解凍装置の開発にも新たに乗り出したそうだ(同記事)。
 思いもよらないところに新たな顧客がいて、新たな市場がある、ということとともに、同社の場合、「問い合わせの数が多いので、不思議に思って、納入先の病院をのぞいてみた」ことが、決定的だったと思う。もしそのときに、病院内の売店のホットショーケースとして、普通に使われているのだろうと思ってそのままにしたら、医療分野という新たな市場にたどりつくことはなかったのではないか。
 ほんのちょっとの「おや?」を、そのままにしないで、その先、一歩踏み込めるかどうか。そこに、イノベーションのカギがあるのだと思う。