読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

改めて、言葉の力について

今日、ある方とお話ししていて、3年と少し前の創業の頃の志を思い出したので、ブログに書くことにします。少々書きにくいこともあるのですが、あえて挑戦したいと思います。
 このブログのタイトルが「The Power of Words」であり、また、自分の会社のホームページにも「現在はリーダーにかつてないほど言葉の力が求められています」云々とうたっているとおり、「言葉の力」というものを、私自身のキーワードとしています。
 過去において(出版社の書籍編集者時代)も、「言葉の力」を信じていましたが、それは主に、「著者」と「読者」の関係における、著者のもつ言葉の力でした。それは、たとえて言うなら、星の光のようなもの。遠くてきらきらと輝いている光が、多くの人に降り注ぐよう、書籍編集者として、その光を届けるお手伝いをしていました。 
 一方、独立して私が手掛けたいと思ったのは、言葉を生業とする人の言葉を、星の光のように数万、数十万という人に届けることではなくて、むしろ言葉を生業とする人以外の人が、言葉に自覚的になるような手助けをすること。会社の中の人、あるいは学校や家庭や様々な社会組織の中の人、それぞれが「言葉の力」を発揮できるよう支援すること。なぜならば、重力モデルにならって言えば、人は、もっとも身近にいる人の言葉から、もっとも強い影響を受けるからです。
 また、身近な人であれば、言わなくても伝わるだろうと思っていて、実は何も伝わっていなかった、ということがよく起こります。「伝える」ということに、もっと意識的であることが必要だと痛感します。
 私自身、たとえば会社勤めをしていた頃に、周囲にいちばん伝えたかったことは、「もっとたくさん仕事がしたい、自分の限界がどこにあるかわからないので、限界まで仕事をしてみたい」ということでした。けれども、はっきり口に出して言ったことがなかったので、そうした希望はまったく誰にも伝わっていなかった、ということが後でわかりました。自分としては、たとえば育児休業をとらなかったり、育児時短が使える期間を目いっぱい使わず、少しでも早くフルで働ける態勢にしたり、と、「言葉」でない部分でずっと伝えてきたつもりだったのですが…(今となっては、本当に笑い話です)。
 また、自分にとって遠い関係の人からはいろいろ励ましの言葉をもらったりという機会はあったのですが、近い関係の人からはなかなかそうした言葉をもらうことができず、「近い関係の人からの言葉が何よりの励みになるのに」と思ったものでした。(これは、自分自身にもあてはまり、たとえば、自分の子どもに対しては、なかなかそうした言葉がかけられず、いつも反省しています。)繰り返しになりますが、人は、もっとも身近にいる人の言葉から、もっとも強い影響を受けます。
 そのような、自分の経験もふまえて、改めて今思うのは、次のことです。すなわち、

  • 会社や様々な組織、家庭や学校など、あらゆる場所にいる誰もが、言うべきことをきちんと言うこと。とくに、褒める言葉、励ます言葉を惜しまないこと。
  • 誤解があれば誤解をときほぐす努力をいとわず、正しいことを正しいと言える世の中を、言葉の面からつくっていくこと。
  • 組織のリーダーは、言葉のもつ力を自覚し、自分の言葉を研ぎ澄ますとともに、聴く力を身につけること。

 私自身、今後も、少しずつかたちを変えつつ、ずっと「言葉」にかかわり続けていくことと思いますので、今日ここに書いた「初心」に、また折に触れて立ち返りたいと思います。