イノベーションの種?

本当に面白い話はオフレコの部分にあったり、「余談」の部分にあったり、というのが世の常。昨日ご紹介したアジア・イノベーション・フォーラムでも、そうした「余談」的な部分に、イノベーションの種、イノベーションに必要な発想と思われるものがいくつかあったので、ご紹介したい。
1)デザイナーの奥山清行氏のプレゼンテーションで。近未来の交通・都市システムとして、カプセル・カーつきマンションの絵(カプセル・カーはマンションの側面にテントウムシのようにはりついていて、エレベーターにもなるし、地上では車としても使えるし、オーディオルームにもなる)を示したあとで。

できた絵を見た時に、スタッフが大笑いしていました。でも、笑っちゃうようなものにこそ、可能性があるんです。

2)上記の奥山氏と同じセッションでモデレーターをされていた、森地茂氏(政策研究大学院大学特別教授)が、最後に披露した話。

かつて、道路が地下にもぐったときに、排気孔から地上にでてくる排気をどうするか、という問題があり、この分野の研究者たちはさんざん検討した挙句、「対策は不可能である」という結論を出した。そうしたら、それを知った製造業の人が、「クリーンルームはできるのだから、対策をとれないはずはない」と指摘した。

分野の枠の中からだけでは、いい知恵は出てこない、オープン・イノベーションが大事ですよ、というお話。
3)上記とは別の次世代エネルギーのセッションで、和氣政宏氏(三洋電機)が、プレゼンテーションの最後に、Appendix(おまけ)として披露した話。

興福寺の阿修羅像を東京に持ってきて、阿修羅像展をやったときに、1日に16000人の来場を記録し、一日の来館者数として、2009年の世界記録になった。西から東に動かしただけで、これだけの新たな価値を生む。

先の奥山氏も、「古い技術でも、料理法によっては新たな価値を生み出すことができる」ということを述べていた。イノベーションの種は、きっとそこかしこに落ちている。あとは、やわらかな頭という土壌が必要なだけなのではないだろうか。