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政治家の言葉の重み

以前に、オバマ大統領のプラハ演説をとりあげた。昨日(24日)の国連総会でのオバマ大統領の演説および、国連安全保障理事会での「核兵器なき世界」を目指す決議(全会一致で採択)は、それに呼応するものであり、政治家の言葉の重みについて考えさせられた。
オバマは、昨日の演説でこう述べている。

Sixty-five years ago, a weary Franklin Roosevelt spoke to the American people in his fourth and final inaugural address. After years of war, he sought to sum up the lessons that could be drawn from the terrible suffering, the enormous sacrifice that had taken place. "We have learned," he said, "to be citizens of the world, members of the human community."
The United Nations was built by men and women like Roosevelt from every corner of the world -- from Africa and Asia, from Europe to the Americas. These architects of international cooperation had an idealism that was anything but naive -- it was rooted in the hard-earned lessons of war; rooted in the wisdom that nations could advance their interests by acting together instead of splitting apart.
(65年前、フランクリン・ルーズベルトは四度目の、そして最後の大統領就任演説でこう語った。「戦争の惨劇を通して、我々は、世界市民であり、人類の共同体の一員である、ということを学んだ」。国連は、ルーズベルトと思いを共にする世界中の人々によってつくられた。その国際協力の枠組みは理想主義に基づくが、けっしてナイーブなものではない。国連は、戦争の教訓に基づいているとともに、国々がバラバラになるのでなく一緒に行動することによりそれぞれの利益を追求できるという知恵によってつくられているからである。)

以前にも書いたとおり、理想主義と現実主義の見事な調和を感じる。


一方、鳩山首相の国連演説も、内容はなかなかのものだったと思う。
とりわけ、温暖化ガス削減目標(1990年比で、2020年までに25%削減)は、22日の気候変動サミットでの演説に引き続き、昨日のこの演説により、もはや国際公約となったことは明らかだ。日本は、環境技術に関しては、世界の最先端だという(田中明彦『ポスト・クライシスの世界』日本経済新聞出版社、など)。ただ、同書で田中氏は、「日本内部に存在する膨大な知識が有効活用されていない」「せっかく日本には科学技術力があっても、政府関係機関、民間企業、大学、そして他のところにバラバラに存在している」と懸念している。田中氏も述べている通り、今の日本に必要なのは、バラバラに存在する知恵や技術を「つなぐ」人であり、それらの人々を束ね、力強い言葉によって先導するリーダーなのだと、あらためて思う。