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上手に嘘をつかなくてはならない

言葉

 「クーリエ・ジャポン」7月号(vol.057)に、村上春樹のインタビューが出ている(「僕の小説は、混沌とした時代に求められる」)。スペインでのインタビューの翻訳記事である(Text by Jesus Ruiz Mantilla)。素晴らしい記事で読みどころがたくさんある。
 たとえば、「著書の『走ることについて語るときに僕の語ること』は、あなたにとってどんな本ですか」という問いに対して、「僕にとってはメモワールです」と答えているところなど、挙げていったらきりがない。全文掲載したいところだが、最後の部分だけ。

M ・・・でも、嘘をつくのが仕事の場合、誰よりも「真実」について知っていなくてはなりません。
――まるで中国の諺を思わせるような台詞ですね。でも魅力的です。
M 僕の考案です。実際、僕の仕事は嘘をつくことなんです。現実に色を添えること、想像豊かであること、人を楽しませること。もしかしたら、それは僕の人格の一部なのかもしれません。
 現実を別の形で表現すること。フィクションは”大いなる嘘”です。そのことを忘れてはなりません。小説を書くとき、僕はできるだけ上手に嘘をつかなくてはならない。”偽のレンガで、真実の壁を築くこと”、それが僕の仕事です。

 元記事は、これのよう。スペイン語を読める方はどうぞ。