黄金虫のように足に紐をつけて

いいかね、思いつきをいつも自分のまわりへ押えつけておいては、いかんのだよ。思索力というものは、これを空気中に放してやらなければいけないのだ。黄金虫のように足に紐をつけてね。
――アリストパネス「雲」(田中美知太郎訳、高津春繁編『アリストパネス』所収、筑摩書房)

ギリシア喜劇「雲」に登場するソクラテスの台詞である。(「雲」のソクラテスは愛すべき変わり者のおじさんで、一連のプラトンの著作に登場するソクラテスより、よほどソクラテスらしい感じがする。翻訳の違いもあると思うけれど。)
言葉にして口に出してみると、自分の考えがまとまる、ということはよくある。ただ、言いっぱなしだとせっかくの妙案を忘れてしまいがち。やはり、書き留めておかないと。黄金虫(日本ならカナブン)の足に紐をつけておくように。