会うと元気がもらえる人

ロールモデル」の一人としてあこがれている方にお会いしてきた。一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の石倉洋子先生である。共著で『世界級キャリアのつくり方』という素晴らしいプロフェッショナル論を書かれていて、また、日々のご活動の様子はブログで読むことができる。石倉先生は、フリーの通訳からキャリアをスタートされ、米国で経営学修士号・博士号を取得されたあと、コンサルティング・ファームを経て、大学の先生になられた。
でも、そのような輝かしい個々のキャリアにあこがれているというわけではない(逆立ちしてもなれないので)。そうではなくて、転機を迎えたその時々に、悩みつつも自分らしさを失わず、人一倍努力して道を切り開いてこられた、石倉先生の「個」としての、しなやかで芯の通った生き方にあこがれるのである(そのあたりは御著書に率直に綴られている)。
そんなあこがれの石倉先生から、ビジネスについてのアドバイスを沢山いただくことができた。私自身の専門性の切り出し方についても、とても貴重なアドバイスをいただいた。一つの突出した専門性がなく、いくつかの分野を横断していることを、「その組み合わせこそが強みであり、そうしたユニークさを、『私にしか出来ない』と、強く打ち出すべき」と言ってくださったのである。
何よりありがたかったのは、次のようなアドバイス。私が、「あまり若くない年齢で起業したということもあって、回り道をしてはいけないと思って、かえって身動きがとれなくなりがち」と言うと、石倉先生はこうおっしゃった。「今の時代は、最初から答えが決まっている問題というのはありません。仕事も、最初から『こう』と決めてかからないほうがいい。ジョブズのスタンフォードでのスピーチの『you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. 』のように、一つ一つ、点をつないでいったら線が書けた、というのが、今の時代にあったevolvingな仕事のやり方ではないでしょうか」。
そして、別れ際に、「そうそう、会うと元気がもらえるという人を、たくさん持っているといいですよ」と、極めつきのアドバイス。石倉先生ご自身が、まさに「会うと元気がもらえる」、笑顔と力強い言葉が印象的な、とても素敵な方でした。