警鐘を聴くことの難しさ

マーティン・ウルフの次の指摘を一〇年後に思い出しても手遅れである。「世界で最も大きくて最も豊かな国が民間と政府の債務を積み上げることと引き替えによってのみ達成されうるようなマクロ経済の健全性などというものは、持続不可能である。世界に資本が余っているのであれば、それは最も豊かな国に向かうのではなく、最も貧しい国に向かうべきである。山のように増える米債務に依存することなく、グローバルな経済活動を持続するためのよい方法を見出すべきだ」(Martin Wolf, Financial Times, March 3, 2004)
――水野和夫『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』(日本経済新聞出版社、2007年3月、p.237)

マーティン・ウルフは2004年に警鐘を鳴らし、それを引きつつ水野和夫氏は2007年に警鐘を鳴らしていた。数年先、10年先を見ることができる「ビジョナリー」は、おそらくあらゆる分野に存在する。彼らの鳴らす警鐘を聴きとり、小さなサインを見逃さないよう、思い込みを廃し、注意深くありたい。

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか

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