リーダーシップ

サッチャーさんの訃報に接して

マーガレット・サッチャー英元首相が亡くなった。ご高齢だったので、いつかはこの日がくるだろうと思っていたけれど、訃報に接して、何とも言葉にできない思いを抱いている。サッチャーさんは、その強烈な手腕に毀誉褒貶ある人だったが、間違いなく20世紀を…

「Talk, Inc.」を読む

仕事柄、企業コミュニケーション関係の本に目を通すようにしているが、そうした中で、最近、非常にインスパイアされる本に出合ったのでご紹介したい。 タイトルは「Talk, Inc.」。著者は2人で、1人は、ハーバード・ビジネス・スクール教授で組織行動が専門…

シェリル・サンドバーグの卒業式スピーチ

毎年、5月のこの時期はアメリカの大学の卒業式シーズンであり、卒業生に対してビジネス界や政界のリーダーが行ったスピーチがウェブ上に公開されるのを楽しみにしています。今年は、フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)が5…

書評『ストーリーテリングのリーダーシップ』

ストーリーテリングの第一人者である、ステファン・デニング(Stephen Denning)の著書“The Secret Language of Leadership: How Leaders Inspire Action Through Narrative”の翻訳書『ストーリーテリングのリーダーシップ』が刊行された。原著の刊行から5年…

経営者が「言葉力」を語ることの重み

こういう本を待っていた気がする。コマツ会長・坂根正弘氏の新刊『言葉力が人を動かす』である。 私の仕事のコアの部分に、経営者のメッセージ発信の支援がある。私の会社アテナ・ブレインズは、「企業の成長を言葉の面から支援する」ことをミッションとして…

ブレアは首相質問にいかに備えたか

日経新聞の今月の「私の履歴書」は、英国元首相トニー・ブレア(在任:1997年5月〜2007年6月)によるもの。その率直なもの言いに好感がもて、「履歴書」を毎日楽しみに読んでいる。浩瀚な書なので、買うのをしばらく躊躇していた『ブレア回顧録』(上・下、…

石原吉郎的リアリズム

一般に共生とは二つの生物がたがいに密着して生活し、その結果として相互のあいだで利害を共にしている場合を称しており、多くのばあい、それがなければ生活に困難をきたし、はなはだしいときは生存が不可能になる。(……)たぶんそれ(共生)は、偶然な、便…

言葉と生き方と

24日(現地時間、日本では25日)は、アップルの、スティーブ・ジョブズ氏のCEO引退のニュースが世界中を駆け巡りました。私自身は、多くの方のツイッターでこのニュースを知り、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載された、ジョブズ本人の手紙(直接的…

CitiグループCEOの卒業式スピーチ

毎年、5月のこのくらいの時期になると、米国の大学の卒業式で、著名な経営者や大統領などが記念スピーチをするのを楽しみにしています。あのスティーブ・ジョブズの伝説的なスピーチも、スタンフォード大学の卒業式でのものでした。 このブログでも、以前に…

借り物でない言葉で

昨日(3月2日)、グリー社長の田中良和さんの講演(「グリーのグローバル戦略を語る」@東洋経済新報社)を聞きにいった。34歳とまだ若いけれど、ネットの世界のドッグイヤー(7倍速)で単純計算すると、2004年の創業以来の7年は、50年にも匹敵する。さりげな…

本所から世界へ:ある町工場のストーリー

先週金曜日(11月12日)、関満博さん(一橋大商学部教授)がコーディネーターをつとめる、「フォーラム・イン・すみだ2010」というフォーラムを聴講してきた。スカイツリーもできて、いま盛り上がりつつある墨田区だが、一時期は町工場の廃業があいつぎ、「日…

ジェフ・べゾスの卒業式スピーチ

アマゾン創業者であるジェフ・べゾスのプリンストン大学卒業式でのスピーチが載っていたので、ご紹介したい。卒業式は5月30日、Class of 2010(2010年卒業生)に向けてのスピーチ。まず最初に、べゾスは、10歳の頃の自分の経験から説き起こす。 べゾスは子供…

ミシガン大学卒業式でのオバマ演説

久しぶりに、オバマの名スピーチをお届けしたい。ミシガン大学卒業式(5月1日)でのスピーチ。 http://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-university-michigan-spring-commencement テーマはずばり、アメリカの民主主義。 The democrac…

祝・オバマ大統領ノーベル平和賞受賞

In a stunning surprise, the Nobel Committee announced in Oslo that it has awarded the annual prize to the president “for his extraordinary efforts to strengthen international diplomacy and cooperation between peoples.” The award cited in p…

オープンとクローズの組み合わせ

石倉洋子先生の新著、『戦略シフト』の刊行を記念した講演会(丸善丸の内店)に行ってきた。 こんなにパワフルで、高揚感あふれるメッセージを聞いたのは、いつ以来のことだろう。 以下、特に印象に残った部分をメモしておきたい。 21世紀は、「変化が当たり…

政治家の言葉の重み

以前に、オバマ大統領のプラハ演説をとりあげた。昨日(24日)の国連総会でのオバマ大統領の演説および、国連安全保障理事会での「核兵器なき世界」を目指す決議(全会一致で採択)は、それに呼応するものであり、政治家の言葉の重みについて考えさせられた…

せっかちな楽観主義者

世界はよくなりつつあります。 世界は過去のどの時代よりも、はるかに住みやすい場所になっています。 社会における女性やマイノリティの地位を、過去のどの時代でもいいですから、比較してみてください。どの社会でもかまいません。 また、過去百年のあいだ…

ツアー・コンダクター的仕事術

人は迷わされるのが嫌いです。・・・これは町を歩いているときのような物理的空間の中で迷う場合だけではなく、説明を聞くときも同じです。・・・あなたが説明をする時も、聞き手にこんな不快感を与えないように配慮することが大切です。ちょうど団体旅行の添乗員…

本当の危機はどこにあるのか

液体が気化する、つまり気体に変わるとき、原子数や分子数は変わらなくても、それが動き回る空間範囲が膨張する。固体、液体の状態ではさほど大きなものでなくても、「過剰な報道」という熱エネルギーを得ると、気体となって途方もなく拡散し、われわれを覆…

夢を実現する方法(ラリー・ペイジの場合)

グーグル社のオフィシャル・サイトに、今年5月2日のミシガン大学卒業式でのラリー・ペイジ(グーグル共同創業者)のスピーチが掲載されている。ペイジ自身もミシガン大学の学部卒業生(コンピュータ・エンジニアリング専攻)であり、父母もミシガン大学関係…

オバマinプラハ

昨日「予告」したオバマのプラハ演説が、whitehouse.govにまだあがらないので、Huffington Postに載った全文より。 まず冒頭で、チェコスロバキアの建国の父であるトマーシュ・マサリクに言及している。1918年にマサリクがシカゴを来訪したときのことに触れ…

理想主義と現実主義

一昨日のエントリに続いて、オバマ演説関連。4月5日にオバマ大統領がプラハで「核兵器なき世界」に言及する演説を行ったと、いろいろな報道機関が伝えている(たとえば、ニューヨークタイムズ)。まもなく、whitehouse.govに全文があがると思うので、それをふ…

講演の上手な人

講演の上手な人は、決して聴衆を見下げるような話し方をしない。その正反対のことをする。聴衆が自分と同じ世界に生きていると感じるように気を配り、彼らの関心と知性に敬意を表する。しかも、これを初めの挨拶の数秒間でやってのけ、終始、聴衆の心を掴ん…

肚の嚮導性

「太っぱら」「肚ができている」とか、「肚をすえる」とか「肚が見えすいている」とか「肚をわって話す」とか、さもなくば「肚黒い」というように、肚は心の広さにかかわるとともに、方向性ももっているらしい。「太っぱら」で「肚ができている」というのは…